妊娠・出産の実体験から
~出産を控えた妊婦さんには、こんな風に応対しよう!~ 

2015年8月1日


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私はまもなく出産を控えた妊婦です。体が重い、腰が痛い、寝がえりが辛い、トイレが近い…となんだか動くこと自体が一苦労ですが、それもあと数日。出産までは、もうカウントダウンに入っています。1人目で経験済みとはいえ、それももう数年前のこと。いつ陣痛がくるのかとドキドキしますが、我が子と対面できる日が楽しみでもあります。
近年では、マタニティ婚のお客様が増えてきたので、プランナーの皆さんは、妊婦さんと接する機会が多くなっていることと思います。そこで、男女問わず、プランナーの皆さんには、妊婦さんと接する上での基本的な知識を身につけておいていただけると、それが自分の自信にも繋がっていくのではないでしょうか。
妊婦さんに対する知識があるということは、お客様にとっても安心感を与えることができます。結婚式の準備を進めていくということは、マタニティでないお客様にさえ、多少のストレスがかかることがあります。妊婦さんなら尚更です。あなたが、マタニティの知識を身に付ければ、お客様が余計なストレスなく結婚準備を進めていけるような、精神的なサポートもできるようになるはずです。妊婦さんにも、安心して、そして楽しく結婚準備を進めてもらえるよう、業界全体で努めていきたいですね。

「出産前に結婚式をしよう」のメリット・デメリット

さて、こんなお客様、よくいらっしゃいませんか?新規のご案内の段階で既にご懐妊されていて、出産前の結婚式が良いか、出産後に落ち着いてからの結婚式が良いか悩んでいらっしゃるお客様。私は、こういったお客様のご相談にのる機会が多々ありますが、その場合には、必ず、両方のメリット・デメリットをお伝えするようにしています。
まずは、出産前の結婚式のメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。

★出産前のご結婚式
≪メリット≫

・赤ちゃんがお腹の中にいる間なので、出産前の方が身動きがとり易い。

・子供にかかるお金をまだそれほど真剣に考えず、自分たちの好きなようにお金が使える。

・通常は、妊娠5ヶ月位であれば、まだそれほどお腹が目立たないため、衣装が豊富に選べる。(あくまでも、人により。5ヶ月でもお腹が目立ち始める人もいる。多胎の場合には、また異なる。)

・安定期に入れば、精神的にも落ち着いてくる。

≪デメリット≫

・選べる衣装の数は、お腹が大きくなるにつれ、少なくなる可能性がある。

・出産前なので、できれば安定期(妊娠5ヶ月~)に入ってからのご結婚式が安心。ただ、そうすると、時期によっては、つわりで苦しい時(だいたい2ヶ月~4ヶ月といわれるが、人によっては、妊娠後期までつわりが続く人も稀にいる)にご結婚準備と重なってしまうことがある。

・あくまでも出産前なので、無事に出産するまでには思いもかけないトラブルが起こり得ることを覚悟しておく。トラブルのタイミングや程度などにより、結婚式をキャンセルせざるを得ない場合も出てくる。

出産前に結婚式を挙げるメリット・デメリットは、このようにそれぞれあります。今は、上記のような出産のリスクを保険でカバーできるような商品も出ています。万が一のことがあった場合のことも考えて。是非、ご参考までに。「結婚式総合保険」

「出産後に落ち着いたら結婚式をしよう」のメリット・デメリット

「赤ちゃんが生まれて落ち着いてからが良いのでは?」と耳にすることがありますが、出産後は出産後で、ママはパパ以上に大変なことが多いのです。落ち着く時期なんて待っていたら、それがいつになることやら…。
でも、出産後に子供も一緒に結婚式がしたいというご希望の方もいらっしゃいます。それでは、出産後に結婚式を挙げるメリットとデメリットもご紹介していきましょう。

★出産後のご結婚式
≪メリット≫

・子供と一緒の結婚式は、なかなかできるものではない。物心ついてきた子供なら、しっかりとその子の記憶にも残る。

・子供も含めた家族揃っての結婚式は、2人主体の結婚式とは違う意味を持つ。子供を育て始めたことによって、自分たちの「親」の気持ちも少しずつわかるようになり、以前とは違う目線で結婚式を行うことができる。

・子供にも可愛い衣装を着せられる。

・出産後数ヶ月なら、子供のお披露目を兼ねて結婚式ができる。

・出産後1年で、子供の誕生日にあわせて結婚式ができる。結婚式の記念日が、子供の誕生日でもあるという一生忘れない大切な日になる。

≪デメリット≫

・出産後、数カ月は体型が元に戻っていないため、自分のベストな体型ではないかもしれない。

・出産してからだと、赤ちゃんの気分や授乳によって、時間がとられるため、打合せや当日の進行が思うように進まない。

・途中で泣きだしたりすると、パパママのどちらかが席を外してあやすことが多いため、2人で相談できる時間が少ない。打ち合わせに集中できない。

・引出物選びや席次表作成など、家での宿題がなかなかはかどらない。

・子供にお金がかかるため、結婚式にあまりお金をかけられない。

実際に、出産後の結婚式のメリット・デメリットをご覧いただいていかがでしたでしょうか?
出産してからの数ヶ月間は、2~3時間おきの授乳をしなければならず、たっぷりと睡眠を取れていた頃が夢のようです。私の場合も、冬場の真夜中に数回の授乳をする度に、寒くて眠たくて…そんな状態なので、もちろん、朝起きても全く寝た気がしません。仕事をしている方がどんなに楽だと思ったか。出産後は体力的にも精神的にも大変な時期があり、それを乗り越え、ようやく自分たちのことを考えられるようになるものです。
そういったことも考慮して、新郎新婦おふたりが納得できるベストなタイミングで、結婚式のお日取りをご提案して差し上げたいですね。

よく聞く「つわり」って具体的にどんな感じ?

50~80%の妊婦さんが経験されるといわれている「つわり」。言葉はよく聞かれると思いますが、実際にはどんな症状が出るのかをご存じですか?つわりが酷く稀に入院をされるような方もいれば、全くつわりがなく、妊娠前と変わらずに生活をされる方もいますので、その症状にはだいぶ個人差があります。
私の場合には、1人目も2人目もつわりがありました。空腹状態になってしまうと気持ち悪くなってしまうので、何かしらを常に口に入れていました。普段は、酸っぱいものはあまり好みではないのですが、つわりの時期だけは、干し梅やら乾燥レモンやら、そんなものばかりを体が欲します。常にバッグに携帯しておいて、通勤の間、それを食べて吐き気をしのいでいました。
ここでは、皆さんに主なつわりの症状を知っていただき、妊婦さんへの身体的・精神的なケアに役立てていただけたらと思います。

・吐き気、嘔吐    →50~90%の方が体験しているといわれる症状で、この症状が重い場合には入院をすることもあります。

・匂いに敏感になる  →ご飯の炊ける匂い魚などの食べ物の匂いや、香水の香り、生活臭など、今までは気にならなかった匂いが異常に気になります。

・嗜好の変化     →今まで好きだったものが食べられなくなったり、1つの食べ物に固執したりします。

・心理的不安定    →マタニティブルーといわれるものです。少しのことでイライラしたり、不安になったりします。

・眠気        →普段より少しだけ眠く感じる方や、仕事や車の運転などに支障が出る程の眠気を感じる方まで様々です。

・胃のもたれ、むかつき→胃が痛くなったり、胸やけがすることがあります。

・疲れやすくなる   →首や肩のこりが普段以上にひどくなったり、手や足がむくみやすくなったり、全身にだるさを感じることがあります。

上記以外にも、便秘や下痢、頭痛など、様々な症状が出る場合があります。つわりは、早い方で妊娠4週頃から始まり、16週頃までが一般的といわれていますが、中には妊娠後期まで続く方もいるそうです。それも人により様々です。

妊婦さんを心地よく!来館時の応対について

妊婦さんがご来館される場合には、事前にわかっている場合とそうでない場合があるかと思います。もしも事前にわかっている場合には、差し支えなければ、妊娠何か月なのかを確認した上で、その時期にあった応対ができるよう準備をしておきましょう。
また、お客様への事前連絡のお電話やメール送信時、当日の接客時に「おめでとうございます!」の一言があるかないかでも、会場への印象はがらりと変わることをお忘れなく!

≪準備をしておくもの・こと≫
・お飲物

できるだけノンカフェインやカフェインレスのものを準備しておきましょう。
妊婦さんによっては、そういうことをあまり気にされない方もいますが、気にかけられて嫌な気分の方はいません。
コーヒーや紅茶でも妊婦さん向けのものがあります。ちなみに、ハーブティーは、ハーブの種類によって妊婦さんにはNGなものもありますので、お出しするときは注意が必要です。

・ご試食

つわりの症状は人によって本当に様々ですが、生魚などの生ものを体が受け付けなくなる時期があります。また、ある特定の食べ物しか受け付けないということもあるので、妊婦さんにお出しするご試食について、事前にNG食材を確認しておきましょう。

・クッション・寒さ対策

妊婦さんにとって、冷えは大敵です。冬場はもちろんですが、夏場でも冷房の効きすぎで、体が冷えてしまうことがあります。いつでも使っていただけるよう、ブランケットなどを事前に用意しておきましょう。
また、お腹が大きくなるにつれ、腰痛がひどくなることがあります。イスの背もたれにクッションがあると、少し楽になります。

・掛ける場所

低いソファ席のようなところだと、立ち上がるのが大変だったりすることがあります。イスの方が立ちあがり易いという場合もありますので、どちらの方がご都合が良いかを確認してみましょう。

・ご案内ルート

通常通りで問題ないかどうかをよく検討しておきましょう。広い会場の場合には、意外に長い時間歩きっぱなしになることも考えられます。ところどころでイスで休めるよう考慮したり、新郎新婦様だけの息抜きできる時間を挟んだりして、なるべく、ストレスをためないで会場見学ができるよう、気にかけてあげましょう。同じところを行ったり、来たり…というのは、最もストレスがたまります。
お腹が大きくなってくると、自分のお腹で段差が見えないこともあるので、事前の声掛けが必要です。上下の移動は、できればエレベーターが好ましいですが、階段しかない場合には、必ず手すりに掴ってもらうよう誘導しましょう。

・会場スタッフ間の情報共有

接客をする担当プランナーしか「妊婦さん」であるということを知らないということはNGです。その他の部署のスタッフにも、事前に情報共有をしておくことで応対が変わってきます。

 妊婦さんとしては、自分のために準備がされているというだけで、会場側のその気遣いが嬉しいですし、何より今後のことを考えても「ここなら任せて大丈夫かな」という安心感があります。
特につわりの時期には、本人も予測できないような体調の変化があったりもしますので、ご来館の前日にでも様子伺いのお電話を入れて差し上げることで、妊婦さんの気持ちが楽になることもあります。その際には、「ご来館当日にもしも体調が優れない場合には、また日を改められるので遠慮なく仰ってくださいね」という、お体を1番に気遣った言い回しがベストです。

業界全体で、妊婦さんにも優しい結婚準備を!

出産・育児経験者の立場で、私なりのアドバイスをさせていただきました。ご出産を控えた妊婦さん目線で物事を考えるというのは、なかなか難しいことです。実際に、私も自身が経験して初めて知ったことばかりでした。だからこそ、経験者の生の声として、それを伝えていかなければならないと思っています。
ご出産が初めてのお客様は、自身の出産とはいえわからないことだらけです。ただでさえ、結婚式も初めてのご経験で何もわからないという方が多いのです。その両方のストレスを抱えて精神的に辛くなってしまわないように、私たちプランナーができることは、お気持ちを汲み取った精神的なサポートです。
「妊婦の経験がないからわからない」ではなく、出産経験のないプランナーさんでも、今回ご紹介した内容をぜひ把握しておいていただきたいと思います。出産前又は出産後に結婚式をされたお客様から、このようなことをよく聞きますよといった伝聞形で構いません。それを生の声として伝えて差し上げるだけでも、ぐっと安心感が増すはずです。それぞれのメリット・デメリットをお話した上でご判断いただき、納得のいく形で準備を進めて差し上げてくださいね。心温まるサポートを期待しています。


執筆者紹介

元ウェディングプランナー
株式会社データマックス プランナーサポート推進室室長

山本優貴

BIA主催 第10回The Master of Bridal Coordinatorコンテスト優勝
ゲストハウス、プロデュース会社にて約10年間、新規・施行・教育・店舗運営に携わる。プランナーのマナー研修・新規研修なども担当。プランナー時代、ひと月の担当婚礼件数 最高10件(新規~打合せ~当日立会いまで)の実績を誇る。

■マスコミ掲載実績
ホテル&レストランウエディング、ウェディングジャーナル、ブライダル産業新聞、プロフェッショナルウェディング